ロミロミはハワイの伝統的な健康管理法で、カヌーで太平洋を渡ってきたポリネシアの航海者達とともに1000年以上前にハワイにやってきました。そして200年前にヨーロッパの探検家たちが訪れるまで、外部の影響にさらされずにいたのです。
今日、ハワイ諸島には100万人以上もの人が住んでいます。その中でハワイアンの占める割合は約4分の1で、人口の大部分を白人とハワイ生まれの日系人が占めています。
ロミロミの知識や技はネイティブハワイアンの家族のなかでしっかりと秘密にされていました。そしてこの特別なグループの中で、強さ、柔軟性、バイタリティーの向上のために使われてきたのです。ロミロミやフラ(ハワイの踊り)はもともとチーフや戦士のためのルア(ハワイの武術)の学校で教えられていましたが、今では世界的に愛され、尊ばれるアートへと発展しました。
ハワイではその歴史の始めから、人、自然、アクア(神・創造者)の調和のとれた関係がもっとも大切だと考えられてきました。またプレ(祈り)のヒーリングパワーはロミロミの技の効果を高めます。プレはハワイにキリスト教が伝来する数世紀も前から行なわれていたもので、またロカヒ(調和)という概念も、キリスト教徒や宣教師達がハワイにやってきた後も変りませんでした。今日のロミロミ施術者の圧倒的な大部分であるキリスト教徒や他の精神世界の信者もプレ(祈り)を施術者、患者、自然とアクアの間のコミュニケーションを回復するために使っています。
ロミロミには柔軟性を高め、関節をゆがめる筋肉痙攣を軽減し、体全体の循環(リンパ、動脈、静脈)を良くし、呼吸・消化・排泄機能を高める効果があります。それは、知覚・運動神経系を刺激することによってもたらされるのです。
ロミロミはハワイ固有のメディカルマッサージの一形態と広く考えられています。現代のハワイでも、就業中やレクリエーション中、または交通事故による故障を治療するのに好まれて用いられています。その心と体をリラックスさせる力は、人が本来持っている治癒力を高めるのです。患者が医者やカイロプラクターなどの最初のヘルスケアの提供者からロミロミを受けるように紹介されてくることもあります。ロミロミは医者の監督のもとで、数種類の健康保険がカバーしています。(註:アメリカには国民健康保険はありません。個人が自分にあった保険会社と契約するので、そのカバー内容はさまざまです。)医者、患者ともにロミロミによる治療が怪我や病気からの回復率を高めることを期待しているのです。成人や高齢者もまたロミロミのリラックス効果を楽しんでいます。
オープーロミ(腹部の触診と運動)は、男性、女性ともに排泄を促すことができます。ハワイアンはオープーは健康とバイタリティーの大切な源であると信じています。オープーロミは内臓の正常な機能を妨げているものを判別し、直すために使われています。それによって健康状態を向上させると信じられているのです。ロミロミはまた、出産の進行を助け、腰痛を軽減し、腹部の働きを向上させるために、妊婦にも行ないます。子宮の手によるトリートメントは専門化した伝統的なロミロミのひとつで、今でも、数人の高い技術を持った施術者たちによって行なわれています。このトリートメントは子宮(しばしば癒着、位置のずれ、圧迫、不適切な支えや動きに影響されています)の内分泌機能を向上させると考えられています。
ロミロミはまた顔、頭、四肢の造作を変えるためにも使われます。これは審美的な(エステ的な)トリートメントで、幼児や成長中の子供によく使われています。アロマティックなオイル、アラエア(泥)、ハーブなどが、体の自然な機能を向上させ、顔の造作を美しくするために数世紀の間使われてきました。この点で、ロミロミは美しく健康になるための他の人気のケア法、アロマセラピーやエステティックマッサージなどとその効果をわかちあっていると言えます。
ロミロミではククイ(Aleurites moluccana)、ココナッツ(Cocos
nucifera)、そして亀からとれるオイルを使っていた長い歴史があります。肌の健康の向上、痛みや炎症の軽減、筋肉の痙攣の軽減のため、そのオイルにサンダルウッド(Santalum
specoes)、ひいたオーレナ(Curcuma longa)の根,
ノニ(Morinda citrifolia)のジュース、アヴァ(Piper
methysticum)などが加えらることもあります。いくつかのハーブとビーズワックスを組み合わせた軟膏やクリームも体の表面に塗るために作られています。伝統的な作り方では、オイルのヒーリングパワーを高めるためにプレのスピリチュアルな要素を加えます。ロミロミは服を着たままの人や座った人、横たわった人にも行ない、オイルは摩擦を減らしたり、感覚(特に嗅覚と触覚)を刺激したり、肌に栄養を与えるために肌に直接使います。
日本は忙しく、ストレスの多い環境なので、ロミロミは多くの日本人の助けとなるでしょう。リラックスという明白な恩恵に加えて、働きすぎや、栄養不足、睡眠不足や慢性的な不安感などにおちいっている人々が健康を取り戻すのにかかる時間を早めることができるからです。
江ノ島で最近(註:2003年3月)に行なったロングライフロミロミのワークショップでは約2ダースの日本の施術者や生徒とともに3日間を過ごしました。無経験の方も他のロミロミスクールのボディーワーカーの方もいました。すべての伝統的なロミロミのスタイルはロカヒ(調和)、体の動かし方、マナ(スピリチュアルな力)といった同じコンセプトに基づいているため、グループ全体がロミオハナ(拡大家族)の中でとてもうまく機能していました。このグループにはアロマセラピスト、鍼灸士、エステティシャン、リフレクソロジスト、そして整体師が含まれていました。ロミに熱心な日本の方々は集中し、練習し、さまざまなロミロミテクニックや動きを覚えることができます。私の経験では、日本の方は覚えが早く、とても上手に実践しています。彼、彼女たちの礼儀正しい態度と上達したいという強い要求は新しく複雑なボディーワークのテクニックと方法を身につける能力の一助となっています。